世界肝炎デー(7月28日

世界肝炎デーのイメージ画像


世界肝炎デーは、毎年7月28日に世界各地で行われる、ウイルス性肝炎への理解を深めるための国際的な啓発デーです。英語では「World Hepatitis Day」と呼ばれ、世界保健機関(WHO)が、肝炎の予防、検査、診断、治療を促進するとともに、患者や感染者に対する偏見や差別をなくすことを呼びかけています。

由来

WHOは2010年、世界的なウイルス性肝炎対策を進めるため、7月28日を世界肝炎デーと定めました。

日付は、B型肝炎ウイルスを発見し、診断法やワクチンの開発にも貢献したアメリカの医学者バルーク・サミュエル・ブランバーグの誕生日に由来します。ブランバーグは、その研究成果により1976年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

ウイルス性肝炎とは

肝炎は、肝臓の細胞に炎症が起こり、肝臓の働きが低下する病気です。原因にはウイルス、アルコール、薬剤、免疫異常などがありますが、世界肝炎デーでは主に、肝炎ウイルスによって起こるウイルス性肝炎が取り上げられます。

肝炎ウイルスにはA型、B型、C型、D型、E型などがあります。このうちB型肝炎とC型肝炎は慢性化することがあり、適切な検査や治療を受けないまま進行すると、肝硬変や肝がんにつながる可能性があります。

検査を受けることの大切さ

B型肝炎やC型肝炎は、感染していても自覚症状がほとんど現れない場合があります。症状がないまま長期間経過することもあるため、感染の有無を知るには肝炎ウイルス検査が重要です。

感染が早期に分かれば、定期的な検査や適切な治療によって病気の進行を抑えられる可能性があります。C型肝炎では、抗ウイルス薬によってウイルスの排除を目指せる治療が普及しています。B型肝炎についても、薬によってウイルスの増殖を抑え、肝硬変や肝がんへの進行を防ぐ治療が行われています。

世界で続く肝炎の課題

WHOの推計では、2022年時点で世界のおよそ2億5,400万人がB型肝炎、約5,000万人がC型肝炎とともに生活していました。B型肝炎とC型肝炎による死亡者は年間約130万人と推計されており、検査や治療を必要とする人に医療サービスが十分届いていないことが大きな課題となっています。

世界肝炎デーには、検査や治療への経済的・社会的な障壁を取り除くこと、正しい知識を広めること、感染者への偏見をなくすことなどが呼びかけられます。

日本肝炎デーと肝臓週間

日本では、世界肝炎デーに合わせて7月28日を「日本肝炎デー」と定めています。国、地方公共団体、医療機関、関係団体などが協力し、肝炎に関する正しい知識の普及や肝炎ウイルス検査の受検促進に取り組んでいます。

また、7月28日を含む1週間は「肝臓週間」とされ、各地域で相談会、検査の案内、啓発イベントなどが行われます。

世界肝炎デーに考えたいこと

  • これまでに肝炎ウイルス検査を受けたことがあるか確認する
  • B型肝炎やC型肝炎の感染経路について正しい知識を持つ
  • 感染が分かった場合は、症状がなくても医療機関を受診する
  • 患者や感染者に対する偏見や差別をなくす
  • 家族や身近な人と肝臓の健康について話し合う

豆知識

  • 肝臓は、栄養素の代謝、アルコールや薬物などの分解、有害物質の解毒、胆汁の生成など、多くの役割を担っています。
  • 肝臓は機能が低下しても症状が現れにくいことから、「沈黙の臓器」と呼ばれることがあります。
  • B型肝炎には感染を予防するワクチンがあります。
  • C型肝炎には現在、一般に使用される予防ワクチンはありませんが、治療薬の進歩によりウイルスの排除を目指せるようになっています。
  • 日常生活での握手、会話、食器の共用、入浴などによって、B型肝炎やC型肝炎が通常感染することはありません。