うま味調味料の日(7月25日)
うま味調味料の日は、毎年7月25日に、うま味調味料への理解を深めてもらうことを目的として設けられた記念日です。日付は、東京帝国大学の池田菊苗博士が発明した「グルタミン酸塩を主要成分とする調味料製造法」の特許が、1908年7月25日に認められたことに由来します。
由来
池田菊苗博士は、昆布だしに含まれる独特のおいしさに注目し、その成分を明らかにする研究を進めました。1908年、昆布だしの主要なうま味成分が、アミノ酸の一種であるグルタミン酸であることを突き止め、この味を「うま味」と名付けました。
池田博士は、グルタミン酸を料理に使いやすい調味料にするための研究も行い、安定性や溶けやすさに優れたグルタミン酸ナトリウムなどの塩の形で利用する製造法を考案しました。
この製造法は、1908年4月24日に「グルタミン酸塩ヲ主要成分トセル調味料製造法」として出願され、同年7月25日に特許第14805号として特許を取得しました。この日付にちなみ、日本うま味調味料協会が7月25日を「うま味調味料の日」と定めています。
うま味調味料の商品化
特許取得後、池田博士の発明は実業家の二代鈴木三郎助によって事業化されました。1908年9月には特許の権利が池田博士と鈴木三郎助の共有となり、翌1909年には、世界初のうま味調味料とされる「味の素」が発売されました。
大学で生まれた研究成果を企業が製品化したこの取り組みは、明治時代における産学連携の代表的な事例としても紹介されています。
「うま味」と「うま味調味料」の違い
「うま味」は、甘味、酸味、塩味、苦味と並ぶ基本味の一つです。特定の商品名や調味料そのものを指す言葉ではなく、グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸などによって感じられる味を表します。
一方の「うま味調味料」は、グルタミン酸ナトリウムなどのうま味成分を主成分とし、料理のうま味を補ったり、素材の持ち味を引き立てたりするために使用される調味料です。
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| うま味 | 甘味、酸味、塩味、苦味と並ぶ基本味の一つ |
| うま味成分 | グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸など、うま味を生じさせる成分 |
| うま味調味料 | グルタミン酸ナトリウムなどを主成分とする調味料 |
うま味の代表的な成分
- グルタミン酸:昆布、トマト、チーズ、しょうゆなどに多く含まれます。
- イノシン酸:かつお節、煮干し、肉類、魚類などに多く含まれます。
- グアニル酸:干ししいたけなどに多く含まれます。
異なる種類のうま味成分を組み合わせると、うま味をより強く感じることがあります。昆布とかつお節を合わせただしは、グルタミン酸とイノシン酸を組み合わせた代表的な例です。
世界に広がった「UMAMI」
池田博士が名付けた「うま味」は、その後の研究によって独立した基本味として認識されるようになりました。現在では、日本語に由来する「UMAMI」が国際的にも使用され、世界各地の料理や食品研究で知られる言葉となっています。
池田博士は、うま味の発見と調味料製造法の発明による功績を評価され、1985年に特許制度創設100周年を記念して選定された「日本の十大発明家」の一人にも選ばれました。
豆知識
- 池田菊苗博士が特許を出願したのは1908年4月24日、特許を取得したのは同年7月25日です。
- 取得した特許は「グルタミン酸塩ヲ主要成分トセル調味料製造法」の特許第14805号です。
- 池田博士は、昆布だしのうま味の主要成分がグルタミン酸であることを明らかにしました。
- 世界初のうま味調味料とされる「味の素」は、特許取得の翌年にあたる1909年に発売されました。
- 「うま味」と「おいしさ」は同じ意味ではなく、うま味はおいしさを構成する基本味の一つです。
出典
- 日本うま味調味料協会「うま味調味料の日(7月25日)の由来」
- 味の素株式会社「7月25日は『うま味調味料の日』です」
- 味の素株式会社「製造法の特許を取得!7月25日は『うま味調味料の日』」
- 特許庁・関係資料「日本の十大発明家」
- 国立公文書館「公文書にみる発明のチカラ―グルタミン酸の発見(池田菊苗)」