露伴忌・谷崎忌(7月30日)

7月30日は、近代日本文学を代表する二人の作家、幸田露伴と谷崎潤一郎の命日にあたります。それぞれの忌日は「露伴忌」「谷崎忌」と呼ばれ、作品や生涯を振り返る文学忌として知られています。
二人は同じ日に亡くなっていますが、没年は異なります。幸田露伴は1947年7月30日、谷崎潤一郎は1965年7月30日に亡くなりました。「露伴忌・谷崎忌」という一つの記念日ではなく、二つの文学忌が同じ7月30日に重なっているものです。
露伴忌の由来
露伴忌は、1947年7月30日に亡くなった小説家・随筆家・考証家の幸田露伴をしのぶ日です。露伴が「蝸牛庵」という号を用いたことから、「蝸牛忌」と呼ばれることもあります。
幸田露伴は1867年に江戸で生まれ、本名を幸田成行といいます。1889年に『露団々』を発表して文壇に登場し、代表作『五重塔』によって高い評価を受けました。明治期には尾崎紅葉と並び、「紅露時代」を築いた作家として知られています。
その後は小説だけでなく、中国史や中国思想に関する知識を生かした史伝、随筆、考証にも活動の幅を広げました。1937年には、第1回文化勲章を受章しています。
谷崎忌の由来
谷崎忌は、1965年7月30日に亡くなった小説家・谷崎潤一郎をしのぶ日です。歳時記などでは、「潤一郎忌」という呼び方も見られます。
谷崎潤一郎は1886年、東京・日本橋に生まれました。1910年に第二次『新思潮』へ『刺青』などを発表し、耽美的で鮮烈な作風によって注目を集めます。
代表作には『痴人の愛』『卍』『春琴抄』『細雪』『鍵』『瘋癲老人日記』などがあります。美への執着、人間の欲望、男女の関係、伝統的な日本文化などを題材に、明治・大正・昭和の長期にわたって独自の文学世界を築きました。
同じ日に重なる二人の文学忌
幸田露伴と谷崎潤一郎は、世代も作風も異なる作家です。露伴は漢文学や古典、歴史への深い教養を背景に重厚な作品を残し、谷崎は官能的な美や人間心理を追究した物語によって国内外で評価されました。
| 文学忌 | 作家 | 没年月日 |
|---|---|---|
| 露伴忌・蝸牛忌 | 幸田露伴 | 1947年7月30日 |
| 谷崎忌・潤一郎忌 | 谷崎潤一郎 | 1965年7月30日 |
代表作品
幸田露伴
- 『露団々』
- 『風流仏』
- 『五重塔』
- 『運命』
- 『蒲生氏郷』
谷崎潤一郎
- 『刺青』
- 『痴人の愛』
- 『卍』
- 『春琴抄』
- 『細雪』
- 『陰翳礼讃』