漫画の日(7月17日

漫画の日のイメージ画像

7月17日は「漫画の日」として紹介されています。1841年7月17日に、イギリスの絵入り風刺週刊誌『パンチ(Punch, or The London Charivari)』の第1号が発行されたことにちなむものです。『パンチ』は、政治や社会を題材にした風刺画とユーモアのある文章で知られ、イギリスの風刺文化を代表する雑誌となりました。

由来

『パンチ』は、ジャーナリストで劇作家のヘンリー・メイヒューと、木版画家のエベニーザー・ランデルズらによって創刊されました。正式な誌名は『Punch, or The London Charivari』で、フランスの風刺新聞『ル・シャリヴァリ』を意識した副題が付けられています。

創刊号の日付が1841年7月17日であることは、現存する第1号の誌面からも確認できます。7月17日の「漫画の日」は、この歴史的な風刺雑誌の創刊日に結び付けて紹介されている記念日です。

ただし、この記念日については、制定した団体や制定年を明記した公的な資料が確認しにくいため、特定の団体が正式に制定した記念日と断定するよりも、『パンチ』の創刊日に由来して広く紹介されている日とするのが適切です。

『パンチ』と風刺漫画

『パンチ』には、政治家や社会の出来事を題材にした風刺画、ユーモアのある挿絵、戯文などが掲載されました。文章だけでなく、絵によって社会を批評し、読者を笑わせながら問題を伝える誌面が大きな特徴でした。

現在、新聞や雑誌に掲載される風刺的な一コマ漫画を英語で「カートゥーン」と呼びます。もともと「cartoon」は壁画などを制作するための原寸大の下絵を意味する言葉でしたが、『パンチ』が1843年にこの言葉を風刺画の意味で使ったことで、風刺画や漫画を指す意味が広まったとされています。

同誌では、のちに『不思議の国のアリス』の挿絵でも知られるジョン・テニエルをはじめ、多くの画家が活躍しました。『パンチ』は一時代の雑誌にとどまらず、イギリスの政治風刺や視覚的なユーモアの発展に大きな役割を果たしました。

日本の「ジャパン・パンチ」への影響

日本では幕末の1862年、イギリス人の画家・新聞記者チャールズ・ワーグマンが、横浜の外国人居留地で『ジャパン・パンチ(The Japan Punch)』を創刊しました。

『ジャパン・パンチ』は『パンチ』の形式を手本とした英語の風刺雑誌で、日本語版として発行されたものではありません。幕末から明治初期にかけての日本社会や、外国人居留地での生活、外交、政治などを風刺的な絵と文章で描きました。

こうした風刺画が日本でも知られるようになると、「パンチ」が転じた「ポンチ」という言葉が使われ、風刺画や滑稽な絵を「ポンチ絵」と呼ぶようになったとされています。『パンチ』から『ジャパン・パンチ』、さらに「ポンチ絵」へとつながる流れは、日本における近代的な風刺画や漫画表現の歴史を考えるうえで重要です。

現在の漫画との違い

『パンチ』や『ジャパン・パンチ』に掲載された作品は、現代の物語漫画と同じ形式ではありません。中心となったのは、政治や世相を一枚の絵で表現する風刺画や、短い文章を添えた滑稽画でした。

一方で、絵と文章を組み合わせて出来事を分かりやすく伝えること、人物を誇張して描くこと、笑いを通じて社会を批評することなど、現代の漫画にも通じる表現が数多く見られます。そのため、『パンチ』は漫画そのものの起源というより、近代的な風刺漫画と漫画文化の発展に大きな影響を与えた雑誌として位置付けることができます。

漫画に関係するほかの記念日

  • 2月9日「漫画の日」:漫画家・手塚治虫の命日にちなみ、「治虫忌」とも呼ばれます。
  • 7月17日「漫画の日」:1841年にイギリスの風刺週刊誌『パンチ』が創刊された日にちなみます。
  • 11月3日「まんがの日」:文化の日であり、手塚治虫の誕生日でもあることから、漫画文化について考える日として設けられました。

似た名称の記念日が複数ありますが、それぞれ由来が異なります。7月17日は、世界的な風刺雑誌と日本の「ポンチ絵」とのつながりを知り、漫画表現の歴史を振り返るきっかけになる日です。

豆知識

  • 『パンチ』の創刊号には「1841年7月17日」という日付が記されています。
  • 誌名の「パンチ」は、イギリスの人形劇「パンチ・アンド・ジュディ」の主人公に由来します。
  • 『パンチ』は1992年にいったん休刊し、1996年に復刊しましたが、2002年に再び刊行を終えました。
  • 『ジャパン・パンチ』は日本語版ではなく、横浜の外国人居留地を中心に読まれた英語の風刺雑誌です。
  • 「ポンチ絵」は、明治時代に風刺画や滑稽画などを表す言葉として使われ、後には漫画風の絵を広く指す表現にもなりました。