発泡スチロールの日(7月21日)

発泡スチロールの日は、軽量性や断熱性、緩衝性に優れた発泡スチロールの特徴を広く伝え、資源の有効利用やリサイクルへの理解を深める記念日です。
日付は固定された7月21日ではなく、原則として毎年7月の第3月曜日です。魚介類を新鮮な状態で運ぶ容器として発泡スチロールが活用され、日本の水産物流や食文化を支えていることから、「海の日」と同じ日に定められました。2026年の発泡スチロールの日は、7月21日ではなく7月20日です。
由来
発泡スチロールの日は、発泡スチロール協会が2001年に制定した記念日です。
発泡スチロールは、鮮魚や野菜などの生鮮食品を運ぶ物流容器をはじめ、家電製品の緩衝材や建築用の断熱材など、幅広い分野で利用されています。なかでも魚介類の輸送では、軽くて扱いやすく、断熱性や保冷性にも優れていることから、産地から市場、店舗まで鮮度を保ちながら届けるための重要な役割を担っています。
こうした発泡スチロールの効用を知ってもらうとともに、使用後の適切な分別や再資源化について考える機会にすることが、記念日の主な目的です。
発泡スチロールの特徴
一般に発泡スチロールと呼ばれる素材の一つが、EPS(ビーズ法発泡スチロール)です。ポリスチレンの原料ビーズを発泡させて作られ、製品の体積の約98%が空気で構成されています。
少ない原料で大きな容積の製品を作れるため、白くて軽いだけでなく、断熱性や緩衝性にも優れています。
- 軽量性:容器そのものが軽く、輸送や荷役の負担を抑えられます。
- 断熱性:内部に多くの空気を含むため、外気の温度変化が伝わりにくい性質があります。
- 緩衝性:衝撃を吸収しやすく、食品や家電製品などを破損から守ります。
- 成形性:用途に合わせてさまざまな形や大きさに加工できます。
- 耐水性:水分の影響を受けにくく、魚介類や青果物の輸送容器にも適しています。
発泡スチロールのリサイクル
使用済みの発泡スチロールは、汚れや異物を取り除いて適切に分別されることで、再び資源として利用できます。
代表的な方法には、発泡スチロールを加熱または圧縮して容積を小さくし、再生プラスチック製品の原料などにするマテリアルリサイクルがあります。ほかにも、化学的な処理によって原料として利用する方法や、焼却時の熱を発電などに利用するエネルギーリカバリーがあります。
発泡スチロール協会によると、使用済み発泡スチロールは多様な方法で再利用され、近年は9割を超える高い有効利用率が維持されています。ただし、有効利用率には、製品の原料として再生する方法だけでなく、熱エネルギーとして利用する方法も含まれます。
処分するときの注意点
家庭から出る発泡スチロールの分別方法は、自治体によって異なります。プラスチック製容器包装として回収する地域、不燃ごみや可燃ごみとして扱う地域、スーパーなどに回収拠点を設けている地域があります。
食品用の容器を出す場合は、中身を空にして汚れを落とし、ラベルやテープ、金属、紙などの異物を可能な範囲で取り除くことが大切です。事業所や市場などから大量に排出されるものについては、家庭ごみとは異なる処理ルールが適用される場合があります。
- 自治体や回収事業者が定める分別方法を確認します。
- 食品の残りや油汚れを取り除きます。
- テープ、ラベル、金属などの異物を分けます。
- 回収対象ではない発泡素材を混ぜないようにします。
- 事業系廃棄物は、許可を持つ事業者などに適切な処理を依頼します。
豆知識
- 発泡スチロールは素材や製法によって複数の種類があり、すべてが同じ回収ルートで処理できるとは限りません。
- 魚箱などに使われるEPSは、内部に細かな空気の層があるため、軽さと断熱性を両立しています。
- かさばる発泡スチロールは、回収後に減容処理を行うことで、輸送しやすい状態にできます。
- 発泡スチロール協会では、会員企業が運営する再資源化拠点「エプシー・プラザ」を通じたリサイクル活動も進めています。
- 回収拠点で外部から使用済み発泡スチロールを受け入れられるかどうかは、施設の許可や受け入れ条件によって異なります。
発泡スチロールの日をきっかけに
発泡スチロールの日は、身近な包装材を単なるごみとして見るのではなく、食品の鮮度保持や製品の保護、輸送負担の軽減に役立つ素材として、その機能と処理方法を考える日です。
便利な素材を適切に使用し、使用後は地域のルールに従って分別することが、資源の循環につながります。魚箱や食品トレー、梱包材を手にしたときに、その役割とリサイクルの行方を見直す機会にしたい記念日です。
出典
- 発泡スチロール協会「発泡スチロールとは」
- 発泡スチロール協会「リサイクル実績」
- 発泡スチロール協会「協会概要」
- 発泡スチロール協会「エプシー・プラザ」