世界赤十字デー(5月8日)

世界赤十字デー(World Red Cross and Red Crescent Day)は、毎年5月8日に、赤十字・赤新月運動の人道活動と、その理念を広く知ってもらうための国際的な記念日です。日付は、赤十字の創設者として知られるアンリー・デュナンの誕生日、1828年5月8日に由来します。
由来
世界赤十字デーの日付である5月8日は、赤十字国際委員会の創設者として知られるアンリー・デュナンの誕生日にちなみます。デュナンは1828年5月8日にスイス・ジュネーブで生まれ、のちに赤十字運動の原点となる考えを広めました。
デュナンは1859年、イタリア統一戦争の激戦地であったソルフェリーノの近くを通りかかり、多くの負傷者が十分な救護を受けられずにいる状況を目の当たりにしました。この経験をもとに、敵味方を問わず負傷者を救護すること、平時から救護団体を組織すること、国際的な条約を結ぶことの必要性を訴えました。
この訴えは各国に広がり、1863年に赤十字国際委員会の前身である「五人委員会」が発足しました。翌1864年には最初のジュネーブ条約が成立し、戦場の負傷者を保護する国際的な仕組みが整えられていきました。
記念日の始まり
世界赤十字デーの考え方は、第一次世界大戦後に、世界的な平和への貢献となる年に一度の行動日を設けようという議論から生まれました。その後、アンリー・デュナンの誕生日である5月8日が選ばれ、1948年5月8日に、当時の名称である「国際赤十字デー」として初めて祝われました。
現在の英語名称である「World Red Cross and Red Crescent Day」は、1984年から使われるようになった名称です。赤十字だけでなく、赤新月社の活動も含めた国際的な人道運動の日として位置づけられています。
背景
赤十字・赤新月運動は、戦争や紛争、災害、感染症、貧困、避難民支援など、さまざまな危機の中で人びとを助ける人道活動を行っています。世界赤十字デーは、こうした活動を支えるボランティアや職員に敬意を表し、人道の大切さを考える日でもあります。
赤十字・赤新月運動には、活動の土台となる7つの基本原則があります。それは、人道、公平、中立、独立、奉仕、単一、世界性です。これらの原則は、国や立場、思想、宗教などの違いを超えて、助けを必要とする人びとに支援を届けるための重要な考え方です。
関連する取り組み
この日には、世界各地の赤十字社・赤新月社、赤十字国際委員会、国際赤十字・赤新月社連盟などが、災害救援、医療支援、紛争地域での保護活動、家族再会支援、地域の防災、健康啓発などの取り組みを紹介します。
また、各地のボランティアや職員が、地域社会の中でどのように人びとを支えているのかを伝えるキャンペーンやイベントも行われます。赤十字・赤新月運動が重視しているのは、遠くの国だけでなく、身近な地域で支援を必要とする人に寄り添うことです。
世界赤十字デーのポイント
| 日付 | 毎年5月8日 |
|---|---|
| 英語名 | World Red Cross and Red Crescent Day |
| 日付の由来 | 赤十字の創設者アンリー・デュナンの誕生日 |
| アンリー・デュナンの生年 | 1828年5月8日 |
| 最初の実施 | 1948年5月8日、「国際赤十字デー」として実施 |
| 現在の名称 | 1984年から「World Red Cross and Red Crescent Day」として定着 |
| 基本原則 | 人道、公平、中立、独立、奉仕、単一、世界性 |
豆知識
赤十字の出発点には、戦場で敵味方の区別なく負傷者を救うという考え方がありました。現在では、その精神は戦争や紛争だけでなく、自然災害、感染症、地域福祉、救急法の普及、防災教育など、より広い人道活動へと広がっています。
日本では、5月が「赤十字運動月間」とされ、赤十字の活動への理解と協力を呼びかける取り組みが行われています。5月8日の世界赤十字デーは、赤十字の歴史を振り返るとともに、災害や紛争、社会的な困難の中で人を支える活動の意義を考える機会になっています。