啓蟄

啓蟄は、二十四節気のひとつで、読み方は「けいちつ」です。冬のあいだ地中や物陰で過ごしていた生き物が、春の暖かさを感じて動き始める頃を表す節気です。
現在の暦ではおおむね3月5日頃にあたり、年によって日付が前後することがあります。国立天文台の暦要項では、2025年と2026年の啓蟄はいずれも3月5日とされています。
由来
啓蟄は、太陽の見かけの通り道である黄道をもとにした二十四節気のひとつです。現在一般的に用いられる定気法では、太陽黄経が345度に達する頃を指します。
「啓蟄」という言葉は、「啓」と「蟄」の二字から成り立っています。「啓」には開く、ひらくという意味があり、「蟄」には虫などが土の中にこもるという意味があります。そのため啓蟄は、冬ごもりしていた虫が地中から出てくる頃という意味で説明されます。
ここでいう「虫」は、現代の昆虫だけに限らず、冬のあいだ活動をひそめていた小さな生き物や、春の気配に合わせて動き出す生き物を広く表す言葉として捉えられています。
季節の流れ
啓蟄は、立春、雨水に続く春の節気です。立春で暦の上の春が始まり、雨水で雪や氷が水へ変わる頃を迎え、啓蟄の頃になると、土の中の生き物や草木の動きから春の進みを感じやすくなります。
ただし、実際の気候は地域や年によって大きく異なります。啓蟄を迎えても寒さが残る地域や、雪が降る地域もあるため、あくまで暦の上で春の深まりを示す目安といえます。
暮らしとの関わり
啓蟄は、農作業や季節の支度の目安としても親しまれてきました。昔の人々は、二十四節気を参考にしながら、種まきや畑仕事、暮らしの準備を進めていました。
啓蟄の頃は、寒さで止まっていた自然の動きが再び始まる時期です。土の中の生き物、芽吹き始める草木、日差しの変化などを通じて、春の訪れを身近に感じる節目として受け止められてきました。
豆知識
- 啓蟄は、二十四節気では春の3番目にあたります。
- 太陽黄経が345度に達する頃が啓蟄とされます。
- 暦の上では春が進む頃ですが、実際の気温や天候には地域差があります。
- 啓蟄の次の節気は春分です。
- 中国では、啓蟄にあたる節気として「驚蟄」という名称が用いられています。