おかねを学ぶ日(8月29日)

8月29日は「おかねを学ぶ日」です。金融教育サービス「ABCash」などを展開する株式会社ABCash Technologiesが制定し、2020年に一般社団法人日本記念日協会から正式に登録・認定された記念日です。お金や金融について学ぶ機会をつくり、次世代を担う人々の金融リテラシー向上につなげることを目的としています。
由来
日付は、古代日本を代表する貨幣「和同開珎(わどうかいちん/わどうかいほう)」に由来します。
『続日本紀』では、和銅元年(708年)に和同開珎が発行されたことが記されており、銅銭については和銅元年8月10日に発行されたとされています。記念日では、この日を現在の暦に対応させた708年8月29日にちなみ、8月29日を「おかねを学ぶ日」としています。
制定した株式会社ABCash Technologiesは、和同開珎がつくられた日にちなみ8月29日を記念日として日本記念日協会に申請し、2020年に正式に登録・認定されたことを発表しています。
和同開珎は「日本最初のお金」なの?
和同開珎は長い間、「日本最古の貨幣」として広く紹介されてきました。現在でも文化庁の文化遺産データベースでは、日本で最初の流通用の鋳造貨幣と説明されています。
一方、現在の貨幣史では、和同開珎より前の7世紀後半に「富本銭(ふほんせん)」がつくられていたことが分かっています。1998年に奈良県明日香村の飛鳥池遺跡で富本銭の鋳型や製造に使われた道具などが発見され、和同開珎より古い銭貨が存在していたことが明らかになりました。
そのため、「和同開珎が日本で最初につくられた貨幣」と断定するのは現在では正確ではありません。ただし、富本銭がどの程度、一般的な貨幣として流通していたのかについては研究上の論点もあり、和同開珎は国家によって本格的な流通を目指して発行された初期の代表的な貨幣として重要な位置を占めています。
和同開珎と日本の貨幣制度
和同開珎は、中国・唐の貨幣「開元通宝」をモデルとした円形方孔の銭貨です。律令国家は708年に和同開珎を発行し、銭を蓄えた人に位階を与えるなど、貨幣の利用を促進する政策を進めました。
日本銀行金融研究所貨幣博物館によると、発行された銭貨は平城京の造営などにおける支払い手段としても利用されました。単に新しい「お金」が登場しただけではなく、国家が貨幣を発行し、社会の中で利用を広げようとしたことに大きな歴史的意味があります。
「おかねを学ぶ日」に込められた目的
株式会社ABCash Technologiesがこの記念日を制定した背景には、金融教育への関心の高まりがあります。同社は記念日の制定時、お金について学ぶ機会を提供し、次世代を担う子どもたちが金融リテラシーを身につけ、主体的に行動できる社会を目指すことを目的として掲げています。
現在のお金は、古代の銅銭から紙幣、銀行預金、クレジットカード、電子マネーなどへと大きく姿を変えてきました。それでも、収入と支出、貯蓄、投資、金利、税金など、お金について正しく理解することが暮らしに重要である点は変わりません。
豆知識
- 「おかねを学ぶ日」は株式会社ABCash Technologiesが制定し、2020年に日本記念日協会から登録・認定されました。
- 8月29日という日付は、和同開珎の銅銭が和銅元年8月10日に発行されたという『続日本紀』の記録にちなみます。
- 和同開珎は「わどうかいちん」と読むほか、「わどうかいほう」とする読み方もあります。
- 和同開珎より前には、7世紀後半につくられた富本銭が存在していたことが考古学的調査によって明らかになっています。
- 和同開珎は、唐の「開元通宝」をモデルとした円形で中央に四角い穴を持つ銭貨です。
- 律令国家は和同開珎などの銭貨を発行するだけでなく、その利用を広める政策も行いました。
出典
- 株式会社ABCash Technologies「ABCash、和同開珎の鋳造・発行日を『おかねを学ぶ日』に制定。」
- 一般社団法人日本記念日協会「おかねを学ぶ日」
- 日本銀行金融研究所 貨幣博物館「日本貨幣史」
- 文化庁 文化遺産データベース「和同開珎」
- 『続日本紀』