くず餅の日(9月2日)

9月2日は「くず餅の日」です。江戸時代からくず餅を製造・販売してきた株式会社船橋屋が、くず餅のおいしさや伝統和菓子としての魅力をより多くの人に知ってもらうことを目的に制定した記念日です。2021年に一般社団法人日本記念日協会に正式登録されました。
由来
日付の9月2日は、「く(9)ず(2)」と読む語呂合わせに由来します。船橋屋の公式発表では、「くず餅」の「く(9)」と「船橋屋」の「ふ(2)」を組み合わせた意味も紹介されています。
「くず餅の日」が生まれた背景には、船橋屋の公式SNSでファンとの交流を続ける中で、「くず餅の魅力をもっと多くの人に広めたい」という思いがあったとされています。2021年、当時の船橋屋公式Twitter担当者が日本記念日協会へ申請し、記念日として正式に登録されました。
船橋屋とくず餅の歴史
船橋屋は文化2年(1805年)、現在の東京都江東区亀戸にある亀戸天神の近くで創業した老舗和菓子店です。初代・勘助は下総国船橋の出身で、良質な小麦が採れる土地だったことを背景に、小麦澱粉を使った餅を作り、黒蜜ときな粉をかけて参拝客に提供したと船橋屋は伝えています。
この菓子はやがて「くず餅」と呼ばれるようになり、亀戸周辺の名物として親しまれていきました。明治初期のかわら版「大江戸風流くらべ」でも、「亀戸くず餅(久寿餅)・船橋屋」が江戸名物として取り上げられたとされています。
関東の「くず餅」は葛粉を使う葛餅とは別物
「くず餅」という名前から、葛の根から作られる葛粉を使った菓子を思い浮かべることもありますが、船橋屋など関東で伝統的に作られてきたくず餅は、小麦澱粉を発酵させて作るものです。
一方、関西などで見られる葛餅は葛粉を主な原料とし、透明感のある見た目と、ぷるんとした食感が特徴です。関東のくず餅は乳白色で弾力のある食感となり、どちらも黒蜜やきな粉とともに味わわれますが、原料と製法は大きく異なります。
船橋屋のくず餅は約450日かけて発酵
船橋屋のくず餅では、小麦粉からグルテンを分離した小麦澱粉を約450日かけて乳酸菌発酵させています。長期間発酵させた小麦澱粉を精製し、職人が蒸し上げることで、独特の弾力と風味を持つくず餅に仕上げています。
船橋屋によると、発酵には杉や檜などを用いた槽が使われています。長い発酵期間を経た原料を使いながら、完成したくず餅は出来たての食感や風味を大切にして販売されている点も特徴です。
「くず餅の日」の取り組み
記念日制定後、船橋屋では毎年9月2日前後に、店舗や公式オンラインショップ、SNSなどで「くず餅の日」にちなんだ企画を行っています。
ファンとの交流イベントや記念商品の販売、キャンペーンなども行われており、単に商品をPRするだけではなく、200年以上受け継がれてきたくず餅の歴史や発酵文化を知ってもらう機会として記念日が活用されています。
豆知識
- 「くず餅の日」は2021年に一般社団法人日本記念日協会へ正式登録されました。
- 9月2日は「く(9)ず(2)」の語呂合わせから選ばれています。
- 船橋屋の公式発表では、「くず餅のく(9)」と「船橋屋のふ(2)」という意味も紹介されています。
- 船橋屋は文化2年(1805年)に亀戸天神近くで創業しました。
- 関東の伝統的なくず餅は、葛粉ではなく発酵させた小麦澱粉を原料とします。
- 船橋屋では小麦澱粉を約450日かけて乳酸菌発酵させています。
- 関西などで見られる葛粉を使った葛餅とは、原料も製法も異なります。
- 黒蜜ときな粉をかけて味わうのが、くず餅の代表的な食べ方です。
出典
株式会社船橋屋「くず餅の日」公式案内、船橋屋公式サイト「船橋屋について」「元祖くず餅」「製法へのこだわり」「よくあるご質問」、一般社団法人日本記念日協会の登録情報をもとに構成しています。