(旧)観光の日(8月1日)

(旧)観光の日は、かつて毎年8月1日から7日まで実施されていた「観光週間」の初日にあたる記念日です。観光の意義や重要性を広く伝えるとともに、観光資源の保護、観光地の美化、旅行者のマナー向上などを呼びかける日として紹介されていました。
ただし、「観光週間」は2009年に廃止されており、現在、8月1日の「観光の日」は国の行事として実施されていません。そのため、記念日一覧などでは「(旧)観光の日」と表記されることがあります。
由来
国土交通省の資料によると、正式名称を「観光道徳の高揚と観光資源の保護週間」とする観光週間は、1965年5月の閣議了解によって設けられました。期間は毎年8月1日から7日までで、その初日にあたる8月1日が「観光の日」として扱われていました。
観光週間には、国の関係行政機関や都道府県、観光関係団体などが協力し、各地で観光に関する広報活動やキャンペーン、清掃活動、祭り、イベントなどが行われていました。
観光週間で呼びかけられていたこと
観光週間は、旅行を楽しむことだけを目的とした行事ではありませんでした。観光が地域社会や自然、文化と深く関係していることを伝え、旅行者と観光地の双方に望ましい観光のあり方を考えてもらうことが重視されていました。
- 観光の意義や重要性について理解を深めること
- 自然、文化、歴史的建造物などの観光資源を大切にすること
- 旅行者が訪問先のルールやマナーを守ること
- 地域の住民が、もてなしと思いやりの心を持つこと
- ごみの持ち帰りや清掃活動を通じて観光地を美しく保つこと
- 地域の魅力を再発見し、国内外へ発信すること
- 連続休暇を利用した滞在型の旅行について理解を広げること
2009年に廃止された理由
観光週間は、2009年6月に廃止されました。国土交通省は、全国一律に特定の一週間へ活動を集中させる方法が、地域ごとに異なる観光施策や行事の日程に対応しにくくなっていたことを理由として説明しています。
地方公共団体や観光関係者による取り組みが多様化し、それぞれの地域が季節、催し、観光需要などに応じて独自の活動を進めるようになったためです。観光振興や観光資源の保護をやめたのではなく、特定の期間に限定せず、地域の実情に合わせて通年で取り組む形へ発展的に移行したものとされています。
現在の観光との関わり
「観光の日」や「観光週間」という国の行事は終了しましたが、そこで掲げられていた観光資源の保護、観光地の美化、旅行者のマナー、地域への理解といった考え方は、現在の観光にも引き継がれています。
近年は、自然環境や地域文化を守りながら観光を発展させる「持続可能な観光」や、旅行者の集中によって地域住民の生活や環境に負担が生じるオーバーツーリズムへの対策も重要な課題となっています。旅行先のルールを守り、地域の暮らしや文化を尊重することは、観光週間が実施されていた時代から現在まで変わらない大切な考え方です。
豆知識
- 観光週間は、毎年8月1日から7日まで実施されていました。
- 観光週間は1965年に設けられ、長年にわたって国や都道府県、観光関係団体などによる啓発活動が行われました。
- 2006年の観光週間では、「ようこそ!にっぽんへ」が統一標語として使用されました。
- 観光週間の廃止は、観光振興そのものの終了ではなく、地域の特性に合わせた通年の取り組みへ移行するための発展的な解消と説明されています。
- 国際的な観光の記念日としては、国連の専門機関である世界観光機関が定めた9月27日の「世界観光の日」があります。
出典
- 国土交通省「観光週間(8月1日~7日)の実施について」
- 国土交通省「春田事務次官会見要旨」2009年6月1日