文化財保護法施行記念日(8月29日)

8月29日は「文化財保護法施行記念日」として紹介される日です。1950年(昭和25年)5月30日に公布された文化財保護法(昭和25年法律第214号)が、同年8月29日に施行されたことに由来します。文化財を保存するとともに、その活用を図るための総合的な法律として、日本の文化財保護行政の大きな基盤となりました。
由来
文化財保護法は、1950年5月30日に公布され、同年8月29日に施行されました。それまで文化財の保護は、国宝保存法、史蹟名勝天然紀念物保存法、重要美術品等ノ保存ニ関スル法律など、複数の法律によって行われていました。
新しい文化財保護法では、これらの制度を総合的な文化財保護制度へと再編。建造物や美術工芸品、史跡、名勝、天然記念物などに加え、従来の制度では十分に扱われていなかった無形文化財や民俗資料、埋蔵文化財などにも保護の範囲が広げられました。
制定の大きな契機となった法隆寺金堂の火災
文化財保護法制定の大きな契機となったのが、1949年(昭和24年)1月26日に奈良県斑鳩町の法隆寺金堂で発生した火災です。
この火災では、金堂内に残されていた貴重な壁画が甚大な損傷を受けました。文化庁は、この出来事によって文化財を火災などから守る必要性への世論が高まり、翌1950年に文化財保護の統括的な法律として文化財保護法が制定されたと説明しています。
なお、火災が発生した1月26日は、現在では「文化財防火デー」となっており、文化財を火災や震災などの災害から守るため、全国各地で防火訓練や啓発活動が行われています。
文化財保護制度はどう変わった?
| 時期 | 主な出来事 |
|---|---|
| 1949年1月26日 | 法隆寺金堂で火災が発生し、壁画が大きな損傷を受ける |
| 1950年5月30日 | 文化財保護法が公布される |
| 1950年8月29日 | 文化財保護法が施行される |
文化財保護法の施行によって、それまで複数の法律に分かれていた文化財保護の仕組みが総合的に整理されました。旧国宝保存法によって「国宝」に指定されていたものは、新制度では原則として重要文化財に指定されたものとみなされるなど、従来の指定を引き継ぐための経過措置も設けられました。
「形のない文化」も守る法律へ
文化財保護法の重要な特徴の一つが、建物や美術品のように形のあるものだけでなく、演劇、音楽、工芸技術など、人によって受け継がれる「わざ」も文化財として保護する考え方を取り入れたことです。
現在、重要な無形文化財については「重要無形文化財」として指定され、その高度な技術を体現する個人や団体が保持者・保持団体として認定されています。重要無形文化財の各個認定保持者は、一般に「人間国宝」と呼ばれることでも知られています。
豆知識
- 文化財保護法は、1950年5月30日に公布され、8月29日に施行されました。
- 従来の国宝保存法、史蹟名勝天然紀念物保存法、重要美術品等ノ保存ニ関スル法律などを整理・統合する形で成立しました。
- 無形文化財や民俗資料、埋蔵文化財などへ保護対象を広げたことも、当時の大きな特徴でした。
- 制定の大きな契機となった法隆寺金堂の火災が起きた1月26日は、現在「文化財防火デー」となっています。
- 「文化財保護法施行記念日」という名称は各種の記念日資料で8月29日の記念日として紹介されていますが、確認できる公的資料では、記念日そのものの制定主体や「1951年に制定」とする経緯までは明確に確認できません。そのため、施行日の由来を中心に捉えるのが確実です。
出典
- 国立公文書館「文化財保護法が制定される」
- 文化庁「文化財保護法」関連資料
- 文化庁「文化財防火デー」
- 文部科学省「文化財保護の法的整備」
- eGov法令検索「文化財保護法」